無敵の人第15話感想―甲斐谷先生、ノってきた!?
簡単なあらすじ―沈んでいくGTB!!
Mに癖を看破され、ボコボコにされたGTB。
しかし、彼の処刑タイムはまだ終わってはいなかった。
GTBより順位が低かったすぶらふがアガり、GTBは徐々に点差が詰められてきているのだ。
あわれ過ぎるよGTB……
しかも、このアガりはなんとMが誘導したものであった。
GTBの癖を利用することで、他家が危険牌を通しやすくしたのだ。
窮地に追い込まれたGTB。
しかし、そこへ起死回生の手が入るが…?
今回の感想―甲斐谷先生、ノってきた??
今回の見どころは、なんと言ってもMの能力の新たな使い方が示されたところだろう。
本ブログでは、過去に「Mの癖読みがあればこういうのもできるんじゃないか?」という考察を何度かしてきた。
例えば、第四話感想では、「通しをしている脇二人の癖を読むことで、リーチ者の待ちを看破する展開になるのでは?」と予想したことがある。
この予想はハズレだったし、その後の予想も当たることはなかった。
"癖読み"は色々なギミックが考えられるものの、作中では「振り込みを回避する」ためにしか使われていなかったのだ。
もちろん週刊少年漫画だから、出し惜しみするということはあるだろう。
それにしても、少し物足りないところがあったのも正直な感想だった。
しかし、今回はついに作内で"癖読み"の新たな使い方が示された回だった。
初心者にやさしいトーカンさん
自分が振り込みを回避するだけではなく、「他人を前に出させる」こともできる。それが"癖読み"の新たな使い方だった。
自分が危険牌をあえて切ることで他人を前に出すという展開は、麻雀漫画では使い古されたネタでもある(『ノーマーク爆牌党』の「華麗なる茶柱の半荘」はその極致だと思う)。
しかし、少年漫画である『無敵の人』でそれが行われた意義は大きいと考える。
週刊少年マガジンでは、読者の90%は麻雀のルールなんて知らないだろうから、どこまで麻雀のシステムに突っ込んだギミックを使っていいのかが難しい。深く突っ込みすぎると読者が置いてけぼりになってしまうからだ。
実際に、『哲也』はそこを割り切って「イカサマ勝負」に焦点を当てることで具体的な麻雀テクニックについては立ち入らなかった。
その「麻雀を知らない人にもわかるようにするか」「麻雀ファンでも楽しめる突っ込んだ内容にするか」という押し引きが難しいところで、今回は微押ししたように見える回だった。
麻雀漫画ファンとしては、ゼンツとは言わなくてももうちょっと押してほしいところである。
今後の『無敵の人』からも目が離せない!(「今後の見どころ」は今回はお休み)
無敵の人第14話感想―甲斐谷節が炸裂!MがGTBの癖を見破った方法とは!?
簡単なあらすじ―MがGTBの癖を見破った方法が明らかに!
二人の雀仙位を下したM。
しかし、初代雀仙GTBはここ三年雀仙を打っていないという。そのため、牌譜から相手の癖を見破る能力を持つMにとって、GTBは強敵に見えた。
雀荘回で看破した可能性もきっちり潰してくれる丁寧な一ページ
さすがのMでも、相手の手が見れない対局中に癖を読むことはできない。
それにもかかわらず、MはGTBの癖を見破り危険牌を通していく。
はたしてMはどうやってGTBの癖を見破ったのか……。
今回の感想―甲斐谷節が見えた一話!
前回の感想で、GTBの反撃があるかどうかが見どころになると書いた。
しかし、Mの処刑タイムは続行。
哀れGTBは全国中継で煽られ続けるのだった……。
それはおいといて、今回の無敵の人は甲斐谷節が見えて面白い一話だった。
最近は打っていないプレイヤーの癖をどうやって見破ったのか。
リアルで打った一戦で癖を掴んだのか。
それとも対局中に見抜いたのか。
どちらにしても、たった一局、それも相手の手が見えていない状況で癖を把握するというのは現実的ではない(この言葉が妥当かはわからないが…)と考えていた。
そして、そのことは作中でもきちんと指摘されていた。
さすがのMでもそれは無理
麻雀的には癖をこの段階で読み切るのは不可能なはず。
しかし、今回の話では説得力ある形でアンサーを出している。
言われれば「なるほど」と納得できる仕掛けだった。
せっかくの仕掛けをネタバレしてしまうのは避けたいため、ぜひマガジンか無敵の人第二巻で確認してほしい。
今後のみどころ―GTBは腹を切るのか!?
さて、完全にフルボッコにされているGTB。
ここまでボロボロにされると同情さえ覚えてくるが、彼は対局前にとんでもない発言をしている。
そう。「もしMに負けることがあったら俺は命を絶ってもいい」発言である。
これを今のGTBに見せてあげたい
すっかり小物っぷりを見せつけたGTBだが、はたしてこの約束にはどう対処するのか?
ちょっと今後の展開を考えてみた。
◎本命:Mの同情差し込みで逆転
〇対抗:ボロ負けするも開き直る
▲大穴:実力で奇跡の逆転勝利
公約無視の開き直りを前提にすると、Mが同情しての差し込みというのが展開的にありえそう。感情が復活しつつあるという話にもつなげられるし。
まぁ、個人的には実力での大逆転に期待。
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【本】無敵の人第13話感想―なんとミズキが本作初〇〇!?
簡単なあらすじ―"癖"の読めないGTBに連続放銃!!
ドスに続き、かぶらおーの"癖"も見破ったミズキ。
相手の手を楽々と看破し、格の違いを見せつけた。
しかし、初代雀仙GTBの"癖"は読めないでいる。何故なら、GTBはここ数年雀仙で打っていなかったからだ。
"癖"が読めない相手ということで、ミズキは本作初の放銃をしてしまう。それも二度連続で。
いちいち叫ぶな
初めて"癖"の読めない相手と対峙したミズキ。
このまま苦戦を強いられるように思われたが……?
今回の感想―対局の最中に"癖"読み切るって強すぎない?
前回の感想では、「わずか一局で相手の"癖"を読み切ることなど不可能」ということを前提として、"癖"の読めない相手とどう戦うかが見どころになるとしていた。
しかし、予想は大ハズレ。
ミズキはなんと対局中にGTBの"癖"がわかったという。
それにしても対局中よく喋るね
元々のミズキの設定は、「ネット麻雀をひたすら観戦し続けており、超人的な記憶力と合わせて相手の"癖"を把握している」というものだった。そのため、ミズキの強さが発揮されるのはネット麻雀で対局を見たことがある人との戦いに限定されていた。
だが、対局中に"癖"を読めるとなると話は変わってくる。
ミズキは初対面の相手でもその強さを発揮できるのであり、まさに「無敵の人」である言える。
その一方で、トーカンのようにミズキが「"癖"が見えない」という相手もいる。
"癖"が見える相手と見えない相手の違いは何か。その点が今後注目される。
今後の見どころ―GTBの反撃はあるか!?
今回、完全な勝ちフラグを立てたミズキ。
"癖"を読み切った宣言した以上、次週からはドス・かぶらおーに続くGTB処刑タイムが始まる。それを確信させるフラグ回だった。
しかし、本当にそんなあっけなく勝ってしまうのだろうか?
たしかにGTBはクズで小物に描かれている。
だが、腐っても雀仙である。作品中最強のステータス雀仙、しかも初代雀仙を与えられた人物である。
そんな彼が、なすすべなくやられてしまうのだろうか?
そんなことはないのではないかと考えている。
作中最強のステータスを持ち、さらに相手(ミズキ)の戦法も分かっている。この状態で何の工夫もなくあっさり負けてしまうというのはキャラの格的に考えづらい。
なぜなら、倒され方が簡単であればあるほど、「そんな奴がネット麻雀のトップに立てるのかよ?」と設定の説得力が弱くなってしまうからである。
さすがにただ煽るだけの奴ではないと信じたい……
そのため、GTBは「さすが雀仙」と思わせるシーンが一つは与えられるはずである。
GTBはどうやってミズキに一矢報いるのか。今後の『無敵の人』にも期待である。
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【本】無敵の人第12話感想―五代目雀仙ドスさん公開処刑されるの巻
簡単なあらすじ―ドスさん、アウトー!
第11話で卑劣な雀仙三人の嫌がらせに対し、「レベルが低すぎる」と一蹴したミズキ。
ミズキの挑発に怒り心頭に発した五代目雀仙ドスは、無茶な要求をけしかける。
※モブではありません。雀仙です。
「負けたらカメラの前で土下座し、『イカサマ師』であると認めてアカウントを返上」という一方的な要求に対し、ミズキはあっさりとこれを受け入れる。
そして、格の違いを示すかのようにドスの癖読みを披露し、ハネ満をアガりきったのだった。
大物手をアガり逆転したミズキ。
しかし、初代雀仙GTBはID保存のために最近は打っていないという。
最新の癖がわからない相手に、はたしてミズキはどうやって戦うのか……。
今回の感想―ドスさん、雀仙のわりに格低すぎない?
前回の感想では、「リードされる⇨相手の手牌を読みながら大物手をアガる」というパターンは以前やっていることから使えず、「相手が六段でなくて雀仙であることを考えると、容易に読むこともできないのかもしれない」と予想していた。
なにせ相手はネット麻雀の頂点に立つ雀仙である。そんな露骨な癖などはなく、また簡単にやりこめられることはないだろうと考えていた。
しかし、予想は大ハズレ。
なんと、雀仙にさえ癖が、それも致命的な癖があり、ミズキはそれを読んで大物手をアガり返すという展開だったのである。
そんな人が雀仙になれるんですかね……。
「物事を深く考える事を面倒臭がるという癖がある」と公衆の面前でdisられるドスさん。ミズキさん鬼畜過ぎる。
言動と言い作中での扱いと言い、これ以上ないくらい格が下がったドスさん。
とても雀仙とは思えない扱いに、もはや同情すら覚えるレベルのドスさん。
今後、彼の格が見直されるときははたして来るのだろうか……。
今後の見どころ―最近の癖のわからない相手にどう戦う?
ドスを倒し、次は初代雀仙GTBを捲ろうとしているミズキ(三代目かぶらやおーは空気)。
しかし、対GTBには二つの障壁がある。
一つ目は、最近の癖がわからないということである。
天鳳位と違い、雀仙位には降段の可能性がある。そのため、GTBは雀仙位アカウントを守るためにここ三年雀仙を打っていないというのである。
誰だGTBさんのことを保存厨と呼んだのは!?
早くも汗だっくだくのGTBさん。
それもそのはず。彼は第10話で「負けたら死ぬ」宣言をしているのである。絶対に負けられない苦しい状況にある。
しかし、苦しいのはミズキも同じ。最近の打ち方を見ていないということは、GTBが同じ打ち方を貫いていない限り癖を知らないも同然ということである。癖読みを最大の武器とするミズキにとって、これは大きなディスアドバンテージになる。
「最近は打っていない」としながら「けど打ち方は変わっていませんでした」という展開はまずないだろう。また、第10話にてミズキはGTBとリアルで対局しているが、わずか一半荘のことで相手の手牌も見れていない。そのため、そこから癖を読み取るのも難しい。
これらのことから、ミズキはGTBの癖を完全に把握していないと考えられる。すると、本作品で初めてミズキは「癖の読めない敵」と戦うことになる。
これに加え、二つ目の障壁がある。それは、GTBがミズキの癖読みを知ってしまったということである。
精緻な読みというのは型にハマれば恐ろしいが、少しでも読みがズレれば全体の読みに大きな狂いが生じる。読みに頼るというのは逆手を取られやすい戦術なのである。
それにも関わらず、ミズキは雀仙三人の前で「癖読み」を披露してしまった。六段ならまだしも、相手は雀仙である。この情報を利用しないはずがない。GTBは必ずミズキの読みを利用したハメ手を打ってくることだろう。
最近の癖を知らず、癖読みの逆手を取ってくる相手にどう戦うか。今後の『無敵の人』にも期待である。
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【本】無敵の人第11話感想―驚愕!!なんと三代目・五代目雀仙も〇〇だった!!
簡単なあらすじ-disられまくりのミズキくん
初代雀仙GTBの中傷により窮地へ追いやられたミズキ。
それに追い打ちをかけるように、他の雀仙達もミズキのネガティブキャンペーンを開始した。
ネガキャンの効果は大きく、ミズキの家に怪文書を入れる者さえ現れ始めた。
この世界の民度はどうなってるんですかね……
こうしてミズキが四面楚歌に追い込まれる中、ついにトーナメントが開催された。
今回の感想-なんと他の雀仙もクズとは……。
前回の記事では、ミズキまたはトーカンの卓で番狂わせが起こるのではないかと予想した。
初代雀仙はどクズで明らかな噛ませ。けど、同卓する他の雀仙の中にはミズキやトーカンに匹敵する強敵が潜んでいるのではないか。そう考えたのだ。
しかし、結果は大ハズレ。
なんと、GTB以外の雀仙二人もどクズというまさかの展開であった。
2コマ目、モブではありません。雀仙です。
発言的にもキャラデザ的にも噛ませの雀仙三人。
ミズキも大ゴマで見栄を切ったし、番狂わせは起こりそうにない。
今後の見どころ-単純な大物手和了以外の方法でどうやって逆転する?
今後注目したいのは、ミズキがどうやって逆転するかである。
雀仙二人に満貫・親満をそれぞれツモられ、大差をつけられたミズキ。
序盤にリードされる展開は、六段三対一編と同じである。
六段相手の時は、リードされる⇨相手の手牌を読みながら大物手をアガる⇨国士をツモるという展開だった。
つまり、漫画的に言えばこのパターンはもう使えないのである。
相手が六段でなくて雀仙であることを考えると、容易に読むこともできないのかもしれない。
そうした制約を抱えながらも、麻雀である以上は勝つためにはアガらなければならない。
そのため、ミズキは雀仙三人を出し抜きながらアガるための説得力ある戦術が必要となる。
はたしてミズキはどんな戦術を以て最強の雀仙たちを出し抜くのか。今後の展開にも期待である。
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【本】無敵の人第10話感想―初代雀仙は〇〇だった!!
簡単なあらすじ―初代雀仙GTB登場!
雀仙トーナメントが正式に決定された。これでMとトーカンとの対決は避けられないものとなった。
また、Mに対するイメージの最新の調査結果が出たとブイライン社長は言う。
それを見ると、なんと「Mはイカサマをしている」という意見が前回よりも増えていた。
このイメージダウンの原因となっていたのは、初代雀仙GTBによるブログ記事だった。
「麻雀は運の要素が大きい」と言いながら「負けたら死ぬ」と言う不思議
Mへの誹謗中傷を止めてもらおうと、順平はMを連れてGTBのいる雀荘へと赴く。
そこでMの実力を見せつけ、額の傷跡を見せてその境遇を説明した。
事情を理解してもらい、「今日 君達が来てくれた事はきちんとブログに書かせてもらうよ」という言質を取った二人。これでMへの誹謗中傷は止むかと思われた。
しかし、GTBはMの実力や額の傷について更なる中傷を行ったのだった。
それぞれの思惑が交差しながら、最強決定トーナメントの幕が上がった……。
今回の感想―初代雀仙がクズ
前回の記事では、雀仙トーナメント編で、各キャラクター・闘牌がどのように描かれるかが今後の見どころになると書いた。
しかし、今回はまだトーナメントに入ることはなかった。ミズキの初戦の相手である初代雀仙GTBのキャラ掘り下げ回だった。
そのGTBであるが、一言で言うとどクズである。
クズの見本市のようなこの漫画の中でも一つ頭抜けているあたり、さすが初代雀仙というところだろう。
みんな大好きクズ六段
トーカンの出現によって「段位と品位は比例する」という作品内の法則の存在が疑われていたが、GTBの出現によってその仮説は打ち砕かれた。
さらにこのGTB、Mが見破れたテンパイにその気配すら気づくことができないという、早くも小物臭を漂わせている。
「負けたら死ぬ」宣言までしているGTBであるが、キャラ格的にMが負けるビジョンが見えない。Mに負けて死ぬ発言もスルーするというさらなる小物っぷりを見せつけるのだろうか……。
今後の見どころ―番狂わせはあるか!?
ついに開幕した雀仙トーナメント。
内容面についての見どころは、前回も書いたように個人の能力や闘牌自体の展開だろう。
しかし、ストーリー全般についての見どころで言えば、「番狂わせがあるのか」だろう。
番狂わせとは、ミズキまたはトーカンが負ける展開のことである。
トーナメントの形式を見るに、上位二名までが決勝に進めるように思える。
そのため、今回小物っぷりを発揮してくれた初代雀仙に勝ったとしても、ダークホースにミズキが負けるという展開は十分に考えられる。また、トーカンについても同じである。彼を倒す最強の雀仙が現れてもおかしくない。
漫画的に言っても、ミズキ・トーカン・二人に負けて格付けの済んだ二人の四人による闘牌よりも、全員が強者という展開の方がより高度な戦いを演出できる。そのため、誰か一人はダークホースがいるのではないだろうか。
決勝がミズキVSトーカンという王道展開になるのか、それとも番狂わせがあるのか。今後の展開にも期待である。
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【本】無敵の人第9話感想―新展開、雀仙位トーナメント編開幕!
簡単なあらすじ―雀仙位トーナメント編、開幕!
ミズキが唯一癖の読めない強敵、四代目雀仙位トーカン。
ブイライン社長はそのトーカンをミズキへの新たな刺客とすることを決めた。
そのことを知った順平は、トーカンに「ミズキとの対戦を受けないでくれ」と頼みに行く。
すると、意外なことにトーカンは「M(ミズキ)と対戦する意思はない」という。
彼は自らの科学理論の正しさを証明するために麻雀を打っていたにすぎず、人々が実力を疑っている今のMを倒したところであまり意味はないというのがその本心であった。
拍子抜けしつつもほっと胸をなでおろした順平。
しかし、事態が急変した。トーカンが条件付きでミズキとの対戦を引き受けると言い出したのだ。
その条件とは、「Mと自分、そして他の雀仙位6人によるトーナメントを開催する」というものであった。
Mが他の雀仙位を打ち破り、実力が世間に認められたところで自分が倒す。それがトーカンの思い描いたシナリオだったのだ。
こうして、強豪引きめくトーナメントが開催されることとなった……。
今回の感想―急展開の理由は?
前回の記事では、ミズキとトーカンの戦いがどのようなものになるかについての展開を予想した。二人の戦いはすぐさま行われるものと考えていたのだ。
しかし、今回の展開は予想だにしないものだった。
今後小出しにしていくと思われた雀仙位を一挙に6人、しかもトーカンの噛ませ犬になりかねないポジションで登場させるというものだったからだ。
突然の急展開。これは作品全体をまとめにかかっているのか、それとも「雀仙編」をスピーディーに終わらせて新編の開始を見込んでいるのか……。現段階ではどちらとも判断がつかない。
今後の見どころ―注目したいポイントは二つ
この「雀仙位トーナメント編」(勝手に命名)で注目したいポイントは大きく二つある。
一つ目は、全員の能力がキッチリ描かれるのかである。
雀仙位と言えばこの漫画における最強クラスのポジションの人びと。
ただ、現状の展開では一気に六人も出るし、トーカンとの決勝戦に向けた噛ませ犬ポジションにしか見えない。
その中で、一人一人の能力・特性をきっちり描くのか。そこが一つ目の見どころとなる。
二つ目は、一対一対一対一の対局がどこまで描かれるのかである。
麻雀は四人で行うゲームである。だからこそ、四人の複雑な思惑が絡み合い、四人戦ならではのドラマが生まれる。
麻雀漫画で一対一対一対一の醍醐味を描くのが抜群に上手いのは、やはり片山まさゆきである。『ノーマーク爆牌党』はその真骨頂が現れている。
この麻雀漫画の醍醐味とも言える四人戦が描かれるのか。それとも一対一の描写になるのか。その点を注目したい。
新展開になり、ますます目が離せない『無敵の人』。今後の展開にも期待である。
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