【本】無敵の人第12話感想―五代目雀仙ドスさん公開処刑されるの巻
簡単なあらすじ―ドスさん、アウトー!
第11話で卑劣な雀仙三人の嫌がらせに対し、「レベルが低すぎる」と一蹴したミズキ。
ミズキの挑発に怒り心頭に発した五代目雀仙ドスは、無茶な要求をけしかける。
※モブではありません。雀仙です。
「負けたらカメラの前で土下座し、『イカサマ師』であると認めてアカウントを返上」という一方的な要求に対し、ミズキはあっさりとこれを受け入れる。
そして、格の違いを示すかのようにドスの癖読みを披露し、ハネ満をアガりきったのだった。
大物手をアガり逆転したミズキ。
しかし、初代雀仙GTBはID保存のために最近は打っていないという。
最新の癖がわからない相手に、はたしてミズキはどうやって戦うのか……。
今回の感想―ドスさん、雀仙のわりに格低すぎない?
前回の感想では、「リードされる⇨相手の手牌を読みながら大物手をアガる」というパターンは以前やっていることから使えず、「相手が六段でなくて雀仙であることを考えると、容易に読むこともできないのかもしれない」と予想していた。
なにせ相手はネット麻雀の頂点に立つ雀仙である。そんな露骨な癖などはなく、また簡単にやりこめられることはないだろうと考えていた。
しかし、予想は大ハズレ。
なんと、雀仙にさえ癖が、それも致命的な癖があり、ミズキはそれを読んで大物手をアガり返すという展開だったのである。
そんな人が雀仙になれるんですかね……。
「物事を深く考える事を面倒臭がるという癖がある」と公衆の面前でdisられるドスさん。ミズキさん鬼畜過ぎる。
言動と言い作中での扱いと言い、これ以上ないくらい格が下がったドスさん。
とても雀仙とは思えない扱いに、もはや同情すら覚えるレベルのドスさん。
今後、彼の格が見直されるときははたして来るのだろうか……。
今後の見どころ―最近の癖のわからない相手にどう戦う?
ドスを倒し、次は初代雀仙GTBを捲ろうとしているミズキ(三代目かぶらやおーは空気)。
しかし、対GTBには二つの障壁がある。
一つ目は、最近の癖がわからないということである。
天鳳位と違い、雀仙位には降段の可能性がある。そのため、GTBは雀仙位アカウントを守るためにここ三年雀仙を打っていないというのである。
誰だGTBさんのことを保存厨と呼んだのは!?
早くも汗だっくだくのGTBさん。
それもそのはず。彼は第10話で「負けたら死ぬ」宣言をしているのである。絶対に負けられない苦しい状況にある。
しかし、苦しいのはミズキも同じ。最近の打ち方を見ていないということは、GTBが同じ打ち方を貫いていない限り癖を知らないも同然ということである。癖読みを最大の武器とするミズキにとって、これは大きなディスアドバンテージになる。
「最近は打っていない」としながら「けど打ち方は変わっていませんでした」という展開はまずないだろう。また、第10話にてミズキはGTBとリアルで対局しているが、わずか一半荘のことで相手の手牌も見れていない。そのため、そこから癖を読み取るのも難しい。
これらのことから、ミズキはGTBの癖を完全に把握していないと考えられる。すると、本作品で初めてミズキは「癖の読めない敵」と戦うことになる。
これに加え、二つ目の障壁がある。それは、GTBがミズキの癖読みを知ってしまったということである。
精緻な読みというのは型にハマれば恐ろしいが、少しでも読みがズレれば全体の読みに大きな狂いが生じる。読みに頼るというのは逆手を取られやすい戦術なのである。
それにも関わらず、ミズキは雀仙三人の前で「癖読み」を披露してしまった。六段ならまだしも、相手は雀仙である。この情報を利用しないはずがない。GTBは必ずミズキの読みを利用したハメ手を打ってくることだろう。
最近の癖を知らず、癖読みの逆手を取ってくる相手にどう戦うか。今後の『無敵の人』にも期待である。
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