【本】無敵の人第四話感想―今後の"読み"描写の方向性が垣間見えた一話
第四話の簡単なあらすじ―トップになるも、大ピンチ!?
相手の癖(ヘキ)を利用して独走するM。気がついたら60000点オーバーの大トップでオーラスに。
しかし、ここで相手に四順目国士テンパイという大逆転手が入る。
親切丁寧な解説
Mからの直撃なら逆転されてしまうという状況。はたしてMはどうやって国士を回避するのか……。
(かなりざっくりとしたあらすじなので、実際に読むことを強くおすすめします)
感想―"読み"の解説をバッサリ切り捨てるという英断
前回の感想で、Mの"読み"に再び解説が入るかどうかが一つの見どころになるということを書いた。
今回の展開で、Mは癖を利用したことは告げたものの、その内容を明かさなかった。そしておそらく、今後もMの読みが具体的に解説されることはほとんどないのではないのかと思われる。
前回も触れたが、これは週刊少年マガジンという媒体であることを考えたら仕方のないことだと言える。毎回解説が入ってもくどくなるだけだし、どれだけ理詰めで書いても、書けば書くほど無理が出てきてしまうからだ。
無理が出てしまうというのは、読みによって相手の手全てを当てることなどできないという身も蓋もない理由による。限定的な状況ならともかく、毎回読みきることなどはできない。仮にイーシャンテンの形を完璧に読めていたとしても、入り目が分からなければリーチの待ちなどわからない。
そのため、無茶な理屈を立てようとするのではなく、"いっそ説明しない"というのは良い回答だと思う。一読者としては、「"相手がネト麻勢の時、ユーザー名がわかれば相手の手をすべて読める"という能力を持った少年が主人公の麻雀漫画」というスタンスでいきたい。(こう考えると、「ユーザー名を隠した相手に対し、なんとか暴こうとするM」といった展開もありうる…!?)
今後の見どころ―Mは何を根拠にアタり牌を止める?
次回では、国士のアタり牌を掴んでしまったMが何を根拠としてそれを止めるかが見どころとなる。(もちろん、止めなければ『無敵の人』が終わってしまうので、止めるという前提で)
Mが振り込んだ場合
今回の展開でポイントなるのが、四順目国士テンパイという超レアケースであること。過去の牌譜から癖を見破っているというMの設定からしたら、さすがにこのケースでは癖を読んでの一点読みができないものと思われる。
そこで、Mが癖を使わずにどうやってアタり牌を止めるかが問題となる。
具体的に挙げると、
①サインを見破っている
②脇二人の反応から西がアタりだと察する
といった方法である。
①の場合、「どういうサインを出すことでどんな情報が送られるか」といった通しの具体的な内容について言及することになる。しかし、通しに関する描写が少ないことからこの展開は可能性が低いと思われる。
②は、『天』で"反射"として紹介されていたものである。通常の場合はまず行えないこの"反射"。しかし、今回の場合は通しによって脇二人がテンパイ者の待ちを知っているという特殊なケースである。しかも、ご丁寧にキレ強打までしてくれている。
青筋立てて西を切る六段
これに続いてもう一人の六段も西をキレ強打。記憶力・観察力にかけては天才のMのことだから、この異常さに気がついて西を止めるのではないだろうか。
相変わらず展開が速く見どころも多い『無敵の人』。第五話は1月27日発売の週刊少年マガジンにて掲載予定。
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