おすすめの麻雀漫画をマニアが愛を持って全力でまとめてみた
KindleUnlimitedの麻雀漫画が充実しすぎてる
以前、こんなことをつぶやきました。
kindle unlimitedが麻雀漫画充実し過ぎててびびる
— いせえび@麻雀 (@spinylobster9) 2017年9月20日
オカルティ、さだめだ、フランケン、リスキーエッジ、麻雀小僧、39、鉄火場のシン、あぶれもん、、、挙げるとキリがない
— いせえび@麻雀 (@spinylobster9) 2017年9月20日
そう。気づいたらKindle Unlimitedの麻雀漫画が充実しすぎているのです。正直、引くくらい充実してます。
中学生の頃から近代麻雀を愛読しているいせえびですが、昔からある悩みがありました。
それは、麻雀漫画は手に入りにくいということです。
たしかに片山作品などはBOOK OFFに行けば売っていたりしますが、多くの麻雀漫画は絶版になっていたり、人気作品なのに刊行されていなかったりします。
しかし、そんな中で、人気作品はもちろん、絶版の作品、単行本化されていない大量の作品を読み放題にしているのがこのKindle Uulimitedです。(このサービスが麻雀漫画ファンにとっての楽園となっていることを知った時には本当に喜び、仲の良い友人へ強烈におすすめしました笑)
Kindle Unlimitedとは?
知らない人のために説明すると、KinleUnlimited(キンドルアンリミテッド)とは月980円でさまざまなKindle本が読み放題になるAmazonのサービスです。ビジネス書から一般書、小説から漫画まであらゆるジャンルの本が読み放題の対象となっています。
いせえびは昨年夏頃のサービス開始当初から利用していますが、めちゃくちゃ便利です。
異常に麻雀漫画があるだけでなく、大量の一般書が対象なので、「ちょっと何か読みたい」という時にも読みたい本がすぐに見つかります。
しかも、意外と知られていませんが、Kindleは無料のスマホアプリで読めるため、専用のデバイスがなくても全く困りません。
さらに、今はちょうど30日無料キャンペーンをやっています。キャンペーンがいつまで続くかわからないので、今のうちの登録を強くおすすめします!
Kindle Unlimitedで読めるおすすめの麻雀漫画を紹介!
と、こんな前振りよりも面白い麻雀漫画を紹介したい気持ちがとても高まっています笑
なので、Kindle Unlimitedで読める数多くある麻雀漫画の中でも、特におすすめの作品を紹介していきます!
『根こそぎフランケン』
正直、これを全巻読めるだけで十分に元を取れる。
そう言っても過言でないのが、この『根こそぎフランケン』です。
物語は超人的なツキを持つフランケンと、天才ギャンブラー竹井が出会うところか始まります。
お気楽な性格で配牌から役満手が入るフランケンと、冷静沈着に場をコントロールする竹井。性格も打ち筋も対照的な二人がコンビを組みながら、並み居る強者たちと熱戦を繰り広げていきます。
鬼ツモ過ぎるフランケン
天才すぎるギャンブラー竹井
根こそぎフランケン、ひいては押川漫画の持ち味はそのリアルな闘牌にあります。フランケンのツキなどはSFじみていますが、その設定を前提とした上での駆け引きや闘牌の緻密さは何度読み返しても飽きません。
しかし、闘牌のリアルさ、緻密さだけで言えば現在連載中の『麻雀小僧』の方が上でしょう。
それでもこの『根こそぎフランケン』をまっさきに紹介するのは、なんといってもこの作品に出てくるキャラクターが異常なまでに魅力的だからです。
特に、ケチなギャンブラーの設定のはずたった竹井は、描いているうちに作者の手を離れ、気づいたらとんでもない天才ギャンブラーになってしまっていたというエピソードがあるほどです。
かっこよすぎる...
この竹井と、宿敵であるワニ蔵は特に人気のキャラクターで、それぞれスピンオフ作品が作られているほどです。
竹井を主人公とした『Let's Goなまけもの』は現在も連載中の作品ですが、雑誌連載はしていないため、今ではネットでしか読むことができません。
魅力的なキャラ達に、卓外・卓内の駆け引きが繰り広げられるこの作品は、すべての麻雀ファンに読んでもらいたい作品です。押川作品を読んだことがないという人は、この作品から入ることを強くおすすめします。
(ちなみに、上で紹介した『頑固なペンチーピン』、『Let's Go なまけもの』、『ダイナマイトダンディ』もすべてKindle Unlimitedで読むことができます。)
『リスキーエッジ』
ƒ
『リスキーエッジ』と言えば、その濃密な闘牌から根強い人気があったものの、単行本が二巻までしか出版されなかったことでおなじみの作品です。
どうせこのまま続きが出ることはないだろうなと思っていたら、ある日突然コンビニ本でまさかの復刻。これに歓喜の涙を流した麻雀漫画ファンも少なくないでしょう。
いせえびも即購入し、いつでも読めるように一冊一冊裁断して電子化しました。
しかし時は流れ、なんとその『リスキーエッジ』が今では電子書籍で全巻読めるようになりました。本当に良い時代だ……。
さて、肝心の中身ですが、『根こそぎフランケン』よりもさらにハードボイルドになっているのが本作。一匹狼の麻雀打ち吉岡が、その師である青柳を倒すべく、数々の裏プロを打ち破っていくというのが話の本筋です。
この作品には、麻雀の博奕としての側面が強調されています。押川作品には「麻雀とは博奕である」という麻雀観が、そして「博奕の果てには破滅しかない」という博奕観が通底しています。
吉岡はまさにそんな麻雀打ちとしての業を深く背負った人間として描かれています。愛人の子として生まれ、両親を早くに亡くした吉岡にとって、周囲はいつも敵だらけでした。
その中で大人達と対等に渡り合い、生きていくための唯一の手段が麻雀だったのです。
非情な麻雀打ち、吉岡
生きるためには苦しい状況でも自分の力で活路を見出し、相手を叩き潰すしかない。そんな吉岡の人生観は、打ち筋にもそっくりそのまま現れています。
冷静に場を見極め、苦しい現状と向き合いながら、しぶとく活路を見出す。それが吉岡の麻雀です。
しかし、自分の周囲には敵しかいないと思ってきた吉岡ですが、大学の麻雀サークルの後輩春香との出会いが人生の転機となります。
敵か味方か、喰うか喰われるかの世界で生きてきた吉岡は、カモを見つけに入った麻雀サークルの仲間からも疎まれていました。
「俺に近寄るな」と言わんばかりのオーラを出す吉岡。それに対し、唯一屈託無く話しかけてきたのが春香でした。
そうは言っても、裏の麻雀打ちの吉岡と、普通の女子大生である春香は、あまりにも住む世界違いすぎます。普通ならこれ以上お互いの人生は交わりません。
ところが、ある日を境に二人の人生は急転します。
高レートの麻雀ルームを営む青柳の元へ、春香の父が娘を借金のカタに勝負を挑んで来るのです。その勝負に青柳サイドとして同席した吉岡は、春香がその父親によって600万もの借金を背負わされそうになっていることに動揺し、そこを付け込まれます。
吉岡の甘さにつけこむ父親
その同情心を利用されそうになった吉岡ですが、青柳の機転により無事勝利します。
しかし、吉岡の甘さを感じ取った青柳は、吉岡にある選択を迫ります。
それは、青柳からの報酬を受け取ってそのまま青柳の片腕として残るか、春香の借用書を受け取って青柳から離れるか、という選択です。
吉岡の甘さを決して許さない青柳
普段の合理的で冷徹な吉岡なら、そもそも選択にすらならないでしょう。
けれど、春香と出会ったことで心が揺れた吉岡は、青柳との決別を選択するのです。
意地を通す吉岡
そうして青柳の元を離れた吉岡は、送られてくる数々の刺客との死闘を果たしながら、青柳の元へと迫っていくことになるのです。
さて、なぜこの冒頭のシーンを紹介したのかと言うと、この作品が優れた麻雀漫画であると同時に、麻雀漫画では珍しいビルドゥングスロマンでもあるためです。
ビルドゥングスロマンとは、未熟な主人公が、周囲の人々や経験を経て、内面的に成長していく物語です。麻雀漫画の主人公は、その性質上、キャラクターが完成されていることが多い傾向にあります。
ほとんどの麻雀漫画の掲載先である近代麻雀では、当然闘牌が期待されているため、キャラクターの内面的な描写よりも対決に紙幅が割かれがちです(他ジャンルに比べ)。
また、圧倒的な力を持った天才型の主人公も多くいますが、その場合もキャラクターには精神的な成長の余地がありません。
一方で、この『リスキーエッジ』はひりつくような闘牌と、一匹狼だった吉岡が仲間を作りながら成長していくという人間ドラマの両面を高いレベルで併せ持った、非常に稀有な作品となっているのです。
全巻を簡単に読めるようになった今だからこそ、多くの人にすすめたい作品です。
『ミリオンシャンテンさだめだ!!』
ミリオンシャンテンさだめだ!! (1) (近代麻雀コミックス)
- 作者: 片山まさゆき
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2013/11/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
麻雀漫画家は大勢いれど、片山まさゆきほど打牌でキャラクターを表現できる人はいません。
片山作品の代表作と言えば、『ノーマーク爆牌党』や『打姫オバカミーコ』がまっさきに挙げられます。一対一対一対一の妙を描くのが抜群に上手い片山先生の作品の中でも、前者の最終決戦は特に神がかっていました。打牌にキャラクターの意志や想いが込められ、牌譜を見るだけでもそのアツくなるほどです。
しかし、他の名作の影に隠れがちなものの、この『さだめだ』には片山イズムがしっかり詰まっています。なんと、10を超える登場人物全員に対し、打ち筋でキャラクターづけるという挑戦を行っているのです。
相手を撹乱する打ち手や、柔らかく対応する打ち手、また絶妙な先切りで切れ味鋭い一打を放つ打ち手など、さまざまなキャラクターが登場します。
ちなみに、主人公のさだめだは「異常に配牌が悪いが、粘り強く丁寧な打ち筋」のキャラクター。主人公が出ると闘牌が地味になるというかつてない作品です。
個性豊かなキャラクター同士が闘いを繰り広げる『さだめだ』ですが、特に象徴的なのがこのページ。
打牌一つで5人分のキャラクターを表現するという天才的な演出。これが麻雀漫画ファンの心をくすぐりまくります。
話の後半ではライバルが味方になっての総力戦というアツい展開もあったりと、全四巻と短いながらもとても濃い内容になっている作品です。
『牌賊!オカルティ』
ゼロ年代、麻雀界を賑わしていたテーマがありました。
それは、オカルトVSデジタルです。「流れ」を重視した旧来の打ち方を支持するオカルト派と、確率・統計から合理的に最適解を選ぶことを是とするデジタル派の対立があったのです。
麻雀を数理的に研究した『科学する麻雀』がベストセラーとなったことや、「デジタル麻雀」を標榜した小倉プロが活躍したことで、デジタルが麻雀界の中で大きな存在感を示すようになってきたのです。当時は近代麻雀誌上をはじめ、書籍やネットなど、あらゆる媒体で白熱した議論が繰り広げられていました。
そんな時代の機運の中で、オカルトVSデジタル論争に一石を投じるがごとく連載されたのが、この『牌賊!オカルティ』です。
『オカルティ』の世界には、大きく三つの勢力とその中心となる人物が存在します。
デジタル:麻雀プロ最大勢力(!)の「デジタルクルーズ」のトップ、梨積港
オカルト:独自の理論「オカルトシステム」を使いこなす、群鷗刈人
打撃系:高打点を見据えた打ち筋を貫く、本作の主人公である朧夏月
この手から2sを重ねて三暗刻をツモるも、デジタル派にボロクソになじられる主人公。
三者三様の人物による麻雀対決、思想対決が繰り広げられる白熱した展開が7巻に渡って行われ、勢いを失速させることなく話が展開していきます。闘牌も四者の思惑が絡み合う、非常にハイレベルな一対一対一対一の戦いが見事に描かれています。
そしてオカルトVSデジタル論争について、作者はどんな答えを出したのか。
ぜひお確かめください。
『あぶれもん』
押川作品において、麻雀とは「博奕」。
片山作品において、麻雀とは「競技」。
では、来賀作品における麻雀とは何でしょう。
それは、「生き様」です。
どんな生き方をしているかが麻雀の強さに直結するのです。だからこそ、『天牌』では麻雀を強くなるために牌から離れたり、イチゴ農家になったりします。
さて、『あぶれもん』でも自分の生涯をかけてでも強くあらんとする人々が描かれています。主人公の啓一は、非情ながらも圧倒的な強さの持ち主である健三を倒すべく全国を旅しながら自分を鍛えます。
その「強さ」への人並みはずれた執着を表現したシーンで、とても有名なのがこれ。
強くなりたいがために草を食べるという、よくわからないけれど鬼気迫る雰囲気が伝わってくる名シーンです。
他にも、打牌で牌が焦げたり、名勝負過ぎて桜島も興奮なさったりと、全四巻と短いながらも数々の名場面が存在します。
死ぬまでに一度は言ってみたいセリフNo.1「桜島も興奮なさっていなさる」。
ぜひ来賀ワールドをご堪能ください。
『フリー雀荘最強伝説 萬ONE』
初心者が読んで勉強になる作品と言えば、『オバカミーコ』の右に出るものはありません。網羅的に、わかりやすく、そして面白く麻雀のセオリーを解説していて、下手な戦術本の100倍ためになります。
しかし、アツい闘牌を繰り広げながらも基本的なセオリーを教えてくれる作品と言うなら、本作品も負けてはいません。
主人公の萬(よろず)はセットでもフリーでも負け組の大学生。しかし、フリー鉄強として名を馳せたケンに師事することで、技術的にも精神的にも成長していくという作品です。
先述した通り、この作品の中では初心者向けに麻雀のセオリーが数多く解説されます。安全牌の見分け方から、フリー特有の赤受けの考えなど、その内容は多岐に渡っています。
そして、ここが大事なのですが、ただセオリーを教えてくれるだけでなく、他方ではちゃんとアツい闘牌も繰り広げられます。
最終戦のラスボス、ウィルは人並み外れた記憶力・処理能力を持つ強敵で、ダブリーの一点読みをするほどの実力の持ち主です。こんな強敵相手に、論理的な読みと勝負勘を武器に戦いを挑む最終戦は、まさに麻雀漫画史に残る名勝負となっています。
初心者の方にもぜひおすすめしたい作品です(若干セオリーが古いけど)。
『麻雀無限会社39 ZANK』
「作品が世相を反映することがある」と、『オカルティ』の紹介部分で少し書きました。『オカルティ』では、「オカルトVSデジタル」というテーマに焦点を当てています。
一方で、本作品では「プロとは何か」を問うています。昔、日本最大規模の麻雀大会である最強位戦で立て続けに雀鬼流が優勝したとき、今はなき近代麻雀GOLDの編集長が「プロ否定宣言」を出したということがありました。「プロ団体に属していない人間に勝てないなんて、はたしてプロと言えるのか」という激しい主張でした。
「プロ否定宣言」は、本作品の中でも行われます。ダブル主人公の内の一人、高井が「今の麻雀プロの人達はお金をいただける程のパフォーマンスをしているとは思えない」とTVで宣言するのです。
では、そんなことを言う高井は何をしているのかと言うと、麻雀で稼ぐ会社、麻雀無限会社39を経営しています。経営とは言っても、お金を作っているのは実質二人。高井と、もう一人の主人公であるガンジーの二人です。内定先の倒産を受けた二人が自分たちで会社を立ち上げるところから物語は始まります。
ただ、麻雀で稼ぐと言っても、二人のスタイルは異なっています。長期戦の大会麻雀を得意とする高井と、短期決戦の高レートを主戦場とするガンジーが、それぞれ自分の領域で奮闘するのです。
『ONE』と同じ作者である本そういちの作品であるだけあり、序盤は大会麻雀・短期戦の打ち方についての解説が行われていたりします。それがそのうち、賞金一千万円の大会を開催するために企業のスポンサーを獲得しに行ったり、裏麻雀界最強の男を倒すために修行したりと、意外な方向に話が展開していきます。
読みやすくスピーディーな展開が続く、おすすめの作品です。
他にもまだまだたくさんあります!
ここでは紹介しきれていないのですが、他にもKindle Unlimitedで読める麻雀漫画はたくさんあります。
『麻雀小僧』、『オーラ打ち言霊マンボ』、『雀賢者ポッチカリロ』『鉄火場のシン』、『てっぺん』、『ナルミ』、『勝負師の条件』、また『天』の一巻〜五巻なども読み放題の対象となっているのです。
さらに、麻雀漫画ではないのですが、史上最高の何切る本として名高い『麻雀傑作「何切る」300選』(通称「ウザク本1」)や、過去の福地本なども読み放題となっています(2017年10月現在)。正直、ウザク本1が対象となっているのには目を疑いました。
最近はAbema TVの麻雀番組が好評なこともあり、麻雀界関連のメディアが急速に充実
してきているように思えます。
中でもこのKindle Unlimitedでの麻雀漫画の充実っぷりは度を越しているし、30日無料キャンペーンもやっているので、これを機会にぜひとも麻雀漫画の魅力にどっぷり浸かってみてください!(そして、一人でも多く麻雀漫画マニアが増えますように...笑)
関連記事
麻雀漫画の魅力についてかつてないほど語ったこちらの記事もぜひご一読ください!