【本】『無敵の人』第三話感想―通しの解説がない……だと……?
第三話の簡単なあらすじ―三対一となるも格の違いを見せつけるM
通しを使う三人組相手とネット生中継の下で対局することとなったM。もしもMが敗ければ、その無敗はイカサマによるものだったと公表されることとなる。こうしてMにとって圧倒的に不利な状況での対局が始まった。
三人組は通しを使ってキー牌を鳴かせ合うことで、簡単に和了を拾う。三人がアガる中、Mはアガれず気づいたらラスに。
全国中継で煽りまくるど畜生
しかし、Mはただやられていたわけではなかった。Mは序盤の打ち方をチェックすることで相手のユーザー名が本当のものか見極めていたのだ。そして、Mの逆襲が始まった……。
(かなりざっくりとしたあらすじなので、実際に読むことを強くおすすめします)
感想―通しの説明はなく、かなりスピーディーな展開
前回の感想で、相手の通しがどのようなタイプのもので、Mがいかにしてそれを逆手に取るかが見どころになるだろうと予想していた。
しかし、予想に反して通しの具体的な描写はなかった。具体的なサインの説明はないものの、詳細な手牌の情報が伝わっているという福本方式だった。
正直この点はかなり意外だった。心理戦の描写が大得意の甲斐谷先生のことだから、この絶好の機会に真骨頂を見せてくれるものだろうと期待していたからだ。
おそらく、麻雀を知らない少年読者の多いマガジンという媒体であることや、まだ三話目でありスピーディーでわかりやすい展開が求められるという事情に配慮したものと思われる。
今後の見どころ―Mの"読み"の解説は再び入るのか?
今回、Mは相手の癖(ヘキ)からその手牌を完全に読み取り、そのアガりを封殺した。だが、そこで第一話のような牌理に基づいた"読み"の解説が入ることはなかった。
解説の省略は少年読者への配慮や作劇のテンボを意識したものと思うが、それが今後も続くのかどうかが気になるところ。練り込んだ闘牌を見どころとする本格麻雀漫画の路線を行くか、少年漫画向けにアレンジして闘牌描写はライトにするのか。
Mの"読み"は再び解説されるのか。今後の方向性を大きく決定づけるポイントとなるので注目したい。
↓(一部界隈で)汎用性の高そうな煽り画像
無敵の人第一巻、絶賛発売中!